悠々として急げ

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「二つの祖国」を読んで

山崎豊子著「二つの祖国」の感想書きます。

結末にも触れるので、知りたくない方は読まないでください。


時代は第二次世界大戦前後。
主人公は日系アメリカ人のケーン。
そしてかなりの長編。
「読了までかなり時間かかるだろうな」と思っていたけれど、
あまりの面白さにどんどん読み進んでいき、
おかげで久しぶりに睡眠不足になりました。

戦争前後の日系二世についてなんて、今までその存在にすら想像をめぐらしたことも
恥ずかしながらまったくありませんでした。
アメリカ市民権を持ちながら、アメリカでは「ジャップ」と軽蔑され、
日本では「移民の子」と差別されるという立場。
人間って自分より弱い立場の人やマイノリティーを見下してしまう弱い存在なんだなあと
思いました。今現在問題になっているヘイトスピーチも同じようなものなのかな。

もうひとつ驚いたのは東京裁判。
広田弘毅はどうも間違って絞首刑に処せられたということや、
東条英機ら7名が絞首刑になったのは12月23日の現天皇誕生日だったということも
まったく知りませんでした。GHQがわざとこの日を選んだようです。

主人公が最後は自殺してしまうという結末にも唖然としてしまいましたが、
以前遠藤周作が「日本人には宗教がないから救いを求められない」とどこかに
書いていたのをふと思い出しました。

それにしても山崎豊子さんの本は初めて読みましたが、
ものすごい資料や取材をして書いているからこそ、
迫真にせまった文章になるんだろうなあと頭が下がりました。
今年最後に素晴らしい本に出会えたことを、祖父に感謝します。(祖父の遺した本でした)
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by patisserie-miya | 2014-12-20 15:58 |