三浦哲郎の「白夜を旅する人々」を読んだ。
三浦氏は兄2人と姉3人がいる6人兄弟の末っ子。
その兄2人は失踪、長姉と次姉は自殺、三番目の姉はアルビノ(長姉もアルビノ)。
この「白夜を旅する人々」はご自身の家族をモチーフにした小説です。
よく世間で言われる「私小説」とは違い、「純文学」といった感じを受けました。
テーマだけ聞くと重苦しい話のように思われるかもしれませんが、
文章がとても美しく、東北地方の方言や風景描写が生き生きとして、
そして何よりも三浦氏の兄姉に対する愛情や敬慕がしみじみと伝わって来るのです。
三浦氏が物心ついた時にはすでに5人の兄姉のうち3人がいなくなっていたので、
より「文学」へと昇華させることができたのではないかなと思いました。
長編小説ですが、読み始めると止まりません。
ぜひ。